【生命科学部】バイオフォーラムを開催しました!(7月24日)
2024.08.01
去る7月24日(水)、15102セミナー室にて、生命科学部バイオフォーラム2024を開催いたしました。
今回は、東京大学大学院農学研究科の有村慎一先生を講師にお迎えし、「葉緑体とミトコンドリアのゲノム編集技術の開発と利用」という演題で、研究の動機や背景から最新の画期的な研究成果にいたるまで、熱いご講演を頂戴いたしました。
有村先生は、以前より植物ミトコンドリアを研究材料に、細胞内での分裂や融合の様子を視覚化するなど基礎的な研究を行っておりましたが、JSTの「さきがけ」に採択されたのを機に、植物の分子育種の標的としては未開拓であった、オルガネラゲノムの改変に取り組むようになりました。「さきがけ」=その先は崖っぷち、という成果が要求される緊張感のある日々の後、世界で初めて植物のミトコンドリア遺伝子を編集することに成功いたしました。
今回は、その技術(mitoTALEN)を用いたいくつかの共同研究の成果(例えばイネのミトコンドリアゲノム上に存在する雄性不稔原因遺伝子をmitoTALENで欠失させると稔性が回復する)をいくつも紹介された後、この技術が共同研究を通じて急速に世界へ広がっていること、現在ではこの技術をさらに発展させ、狙った遺伝子の特定のC塩基をT塩基に編集することにも成功していることなどを丁寧にご紹介いただきました。
また、植物のオルガネラゲノム研究は日本が世界をリードしてきたことや、その流れの中で植物オルガネラゲノム研究拠点を東京大学に作ったこと(京都産業大学も拠点形成に参画しています)、研究をさらに高度化するために、今年度から学術変革領域(A)を立ち上げたことなどにも触れられており、大変エキサイティングな内容でした。
当日は激しい雷雨に見舞われましたが、他大学も含め教員や大学院生、学部生など、約30人の参加者にお集まりいただき、活発な質疑、討論が行われ、大変有意義な時間を過ごすことができました。