【国際関係学部】植原ゼミがゲスト講師を招き、オンラインで米国における日本ビジネスの現状と未来について学びました

2024.06.21

全員で写真撮影
国際関係学部の研究演習(担当:植原教授)において、ゲスト講師による特別ゼミナール「世界オンライン会議」が開催されました。東海理化ミシガン(TRMI)江口雄一郎氏と三菱重工業アメリカ ワシントンDC事務所 中村学所長をオンラインでお招きし、両社の米国事業の現状を説明いただきました。そして今後の米国の政治状況の変化(大統領選挙)が米国ビジネスにどのような影響をあたえるか、そしてどのようにビジネスは対処すべきかを議論しました。
(国際関係学部3年次 玉川 愛菜)

東海理化、三菱重工業 自社事業と今後の変化における課題

初めに、2社の現在行われている事業についてお話をいただきました。東海理化ミシガン(TRMI)は1998年に米国北部のミシガン州に設立され、主に自動車部品や半導体などを製造しています。米国事業における課題は主に4つあると説明してくれました。

  1. 自動車がEV(電気自動車)化している
  2. 自動車業界における利益創出の形態の変化
  3. 米国大統領選挙の結果次第(トランプ再選の場合)ではサプライチェーンに影響
  4. 半導体の需給バランスの変化による半導体確保の対策 などでした。
三菱重工業では、ワシントンDC事務所における情報収集や潜在リスク分析などのインテリジェンス活動についてお話していただきました。大統領選挙真只中であり、社会が二極化する現在、今後の米国政府の政策動向如何によっては、ビジネスへの影響の振れ幅が大きくなる課題に対して、ワシントンDC事務所の活動は三菱重工業の事業継続のための重要な役割を担っていると理解しました。 三菱重工業の米国事業はエネルギーシステム、航空機、交通システムなどのインフラシステムなど業容は多岐にわたっています。課題として特に取り上げられたのはエネルギー事業でした。三菱重工業は2021年に、自社と顧客の排出量を含めたCO2排出量を2040年までにゼロにするという目標を導入しました。 そこで、CO2排出削減のため、水素やCCS(二酸化炭素回収)といった技術開発・事業開発を通じて、いかに「エネルギートランジション」を進めていくかが課題となりました。
事業の説明を傾聴する学生①
事業の説明を傾聴する学生②

課題に対する対策

これらの課題に対してどう向き合うべきか、東海理化(TRMI)は既に対策を講じている事業もありました。例えば、自動車がEV化していけば、エンジン車の部品の需要は少なくなるため、EV化にむけた新製品の開発を進めている。現場の労働形態を集約型から自動化に変えることで生産コストを下げる。もしトランプが当選した場合、保護主義となり、高い関税の導入やそれに伴う物流の停滞が懸念されるため、生産拠点を移管したり、在庫を増やすなどのサプライチェーンを見直している。急激な半導体の需給バランスの変化に備え、半導体の早め量を予め確保すべく、半導体メーカーや商社と情報共有して数年前から必要量を調整している。このような対策をお聞きしました。

国際的に活躍する社会人になるための心構え

お二人から最後に米国市場への日本企業の今後について、そして国際的に活躍する人材になるための心構えを教えていただきました。
米国は世界最大の市場規模で、投資先として日本も安心して投資できる相手国です。しかしそこには政権の影響や激しい物価高など日本との違いによる大きな課題もあります。その中で日本企業がビジネスを運営していくには、チャレンジ精神と何事にも好奇心を持ち、常に変化を楽しむ人材になることが大切と学びました。
ゲスト講師からの言葉を真剣に聞く学生たち

『政権問題』『サプライチェーンの構築方法』『グローバルな視点』が重要

テーマである「米国における日本ビジネスの未来」について、私たちも事前にこのテーマに基づいて事前勉強をしたのですが、実際に最前線の現場で活躍されている方のお話を聞くと日本の先進的な技術力の凄さや課題に臨機応変に対応する逞しさを改めて実感させられる時間となりました。
米国でビジネスを進める上で肝心なことは『政権問題』『サプライチェーンの構築方法』『グローバルな視点』この3つだと思いました。二極化が進み続けるアメリカでは政策の変化も激しいという特徴があります。この特徴は環境問題や貿易に対して大きな変化が表れるといえます。このことから、ビジネスと政治は思っているよりも繋がりが深いことがわかりました。そしてその変化を数年後まで見据えてサプライチェーンをどのように再構築するのかなど、予め対策を打っておくことが重要であり、かつ難しい点でもあることを知ることができました。

初めはゼミ生の中で漠然とした答えしか持っていなかったこのテーマでしたが、世界オンライン会議を通して『海外ビジネスを行う際のリアルな現実と課題』『国際人としての心構え』がゼミ生全員に浸透したのではないかと思います。 
お忙しい中お話いただきましたお二人に心よりお礼申し上げます!
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