【外国語学部】ポーランド在学留学レポートが届きました 堀 拓哉さん(交換留学)
2023.09.26
外国語学部 英語学科 4年次 堀 拓哉 さん
留学期間 | 国名 | 留学先大学名 | 留学の種別 |
---|---|---|---|
2022年9月27日から 2023年7月21日まで |
ポーランド | 国立アダム・ミツキェヴィチ大学 | 交換留学 |
印象に残っている授業
夏学期に受講した「Inclusive Communication」という授業は、その土地の言語がわからない外国人、盲目の人、耳が聞こえない人など、あらゆる不自由を抱える人に対してベストなコミュニケーションを探す内容でした。これまで私は英語を学ぶことに重きを置いていましたが、この授業を履修することで、「そもそもコミュニケーションとは何か」という原点に立ち返ることができました。もちろん言葉もコミュニケーションの一種です。しかし、道路標識やピクトグラム、ジェスチャーなどの視覚的情報もそれに含まれます。
ポーランドでは空港職員や若者を除くと、英語を話すことのできる人は多くありません。実際に英語が通じない場所で生活をすることで、英語はあらゆるコミュニケーション・ツールの中の1つに過ぎないということを、実感しました。日本語も英語もポーランド語も、数多くある手段の1つで、そこに優劣はありません。この授業を受講したことで、よく考えれば当たり前の事ですが、「語学に夢中になるあまり忘れがちなこと」を思い出すことができました。
留学を目指している学生さんへ
私の留学生活はSNSなどで見るようなキラキラしたものではありませんでした。友人もそれほど多くなかったですが、仲の良い友人とカフェに行って近況を語ったり、お互いに悩みを打ち明けたりしました。理想と現実とのギャップに苦しむこともありましたが、10カ月という長い時間をかけて、自分と向き合うことができました。
留学生活は人によってさまざまです。何をするのか、何を成し遂げるのか、全て自分次第です。寒い冬に少し落ち込みながら、部屋でゆっくり過ごしたことも、卒業後の進路について真剣に考えたことも、全てが大切な思い出です。そして、何よりも、私は留学生活を通じて、これまでよりも自分のことが好きになったような気がします。
皆さんも留学先でさまざまな出会いや別れ、悩みなどがきっとあると思います。途中で日本に帰りたくなることもあるかもしれません。そんな時は自分の心に耳を澄ませてみてください。
「自分の気持ちに素直になること」は些細なことかもしれませんが、これは私が10カ月の留学生活で成し遂げた一番の成果です。
私の体験記を読んで、ポーランドという国や、ポーランドでの留学について興味を持ってくれた方もいると思います。さらに詳しく知りたい方のために、ポズナンの気候や、授業の様子などをお伝えします。
ポーランドについて
ポーランドは、特に近代史においてロシアやドイツなどの強国の影響を強く受け、100年以上もの間、世界地図から消えてしまった悲しい歴史があります。そんな中、ポズナンはポーランド建国の地として知られており、川や森など自然が豊かで、特にツィタデラ公園という大きな公園では野生のリスを観察できるほどです。
ポーランドは冬になると16時ごろには外が真っ暗になります。また、日本のような冬晴れはほとんどなく、一日中曇っていて、天気が悪かったです。そのため現地の人でも鬱病になりがちと聞いていて少し不安でした。4月になっても雪が降ることがあり、5月中旬ごろまでは上着が必要でした。しかし、この長い冬を乗り越えたあとは、日の入りが22時ごろになり、天気もほとんど毎日晴れていて、湿気がないため非常に心地良かったです。このために厳しい冬の寒さを耐えたのだなという感じがしました。
授業の様子
授業は90分1コマで実施され、授業時間は京都産業大学と変わりがないので慣れるのは簡単でした。しかし、他の学生の積極性に圧倒されました。特に留学前半に履修したEUの統合についての授業では、自分以外の留学生はほとんど全員がヨーロッパやトルコの学生だったので、地理や歴史的背景について非常に詳しく、ついていくのに必死でした。
そこで、1回の授業で最低1回は発言しようと心に決めて臨むようになり、留学当初の消極的な姿勢は改善されたと思います。その結果、夏学期の授業では、複数の先生から積極性を褒めていただき、自信に繋がりました。また、ある先生には「留学の前半と後半で印象が全く違って、後半は積極性があり輝いて見えた」と言っていただき非常に嬉しかったです。大学生活は残り半年と短いですが、留学で身につけた積極性を忘れずに、これからもさまざまなことにチャレンジしていきたいです。