始まりは、趣味の釣りだった。14歳の頃から釣りの映像を撮影・編集してYouTubeにアップするようになった坊中は、次第に映像制作の楽しさに目覚めていった。水産高校を経て現代社会学部へ進み、学生が主体となって映像を制作する脇浜紀子ゼミを選んだのは、必然だったと言えるのかもしれない。
「『新聞、テレビ、ラジオ、インターネット、SNSなど、あらゆるメディアを活用した表現が学べるのは脇浜ゼミしかない』と思って選びました。みんなで協力して、これまでになかったコンテンツをつくりあげるという点も魅力でした」
多様なメディアの仕組みを理解して組み合わせ、メディアの特性に応じた有効なマネジメントと表現手法である「マルチプラットフォーム・ストーリーテリング」を身に付けることが脇浜ゼミの目的だ。坊中はいま、卒業制作として2時間のライブ配信番組の制作に挑戦している。
「例えばサークル活動で、大会に向けて一生懸命練習してきたのに、コロナ禍で発表の場を失ってしまった人たちが大勢います。私たちのライブ配信番組を、そんな人たちの発表の場にできたらと思って制作しています」
制作の中心となるスタッフは4年生15人、サポート役の後輩たちを含めると総勢50人。坊中は、この大所帯をまとめる統括リーダーを務めている。
「制作スケジュールや番組全体の構成をつくり、プロジェクトを前進させるのが私の役目です。メンバーそれぞれに異なる意見を、話し合いの中でまとめていくのは正直しんどいですが、こうした実践的な学びができることが脇浜ゼミの魅力。実際、インターンシップや就職活動の際には、この経験がすごく役立ちました」
卒業後は、映画、テレビ番組、CMなどを幅広く手がける総合映像プロダクションへの就職が決まっている。配属はCM制作を行う部署だ。
「わずか15秒という時間の中に、最先端の映像技術や、制作者たちの思いが凝縮している。そこに魅力を感じてCM制作の道を選びました。いつかは私が制作したCMで、視聴者の心を動かしてみたいです」
※掲載内容は取材当時のものです。