馬場が所属するゼミは「マーケティング戦略」に関わるところだ。
中でも彼女が取り組んできたのは「製品差別化戦略」というもの。「同じカテゴリの中で、なぜこの製品が選ばれるのか」。そのメカニズムを解き明かす学びである。
「2年次の秋には高級アイスクリームブランドの「ハーゲンダッツ」が、なぜ他の高価格帯アイスの中でも選ばれているのかについてチームでリサーチし、その結果をレポートにまとめました」
調べていくと商品の品質管理を徹底していくのはもちろん、季節やコンビニなど販売業態ごとに限定商品を展開していることを知った。さらに新商品のPRひとつとってもイメージカラーに合わせたネイルとアイスクリームを並べるなど、「できるだけ多くの人に」ではなく「大人の女性」に向けたものに仕上げ、ターゲットを明確にした打ち出しを行っていた。
「消費者が一つの商品を手に取るまでに、生産、販売、広告といった、それぞれのステージで、あらゆる手を尽くしている様子が印象的でした」
マーケティング戦略とは、突き詰めると「生き残るための戦略」である。自然界の中で花や鳥や魚がどうしたら生き残ることができるか。その進化の形として、特定の色が付いたりとか、ある決まった動きをするといった話があるが、実は市場の商品もそれと同じように生き残るために最善手を模索している。
「経営学」や「マーケティング」という言葉だけ見れば、スマートで華やかな世界に感じられるかもしれない。しかしその本質はタフネスであり、諦めが悪くしぶといもの。「例えばそんな企業の気概を学びとったり、リアルに感じ取ることも、ゼミ活動の面白さかもしれません」。
※掲載内容は取材当時のものです。