「履修アドバイザー」とは京都産業大学の中でも法学部だけが独自で行っている取り組みである。
高度な法律の学びと新入生の「橋渡し役」として、授業に関する相談、演習(ゼミ)に関する情報提供など幅広く学修サポートをしてくれる先輩たちだ。1年次だった頃の窟も、アドバイザーが待つ「履修相談室」によく立ち寄っていたという。
「こんなこと先生に聞いていいのかな?と思うような基本的なことも、同じ学生の先輩になら聞きやすい。何より先輩たちが優しくて頼りがいがありました」
自分もいつかこんな風になれたらと、2年次には窟も履修アドバイザーに志願する。アドバイスをする立場に立ってみると、景色はまた違って見える。後輩からの基本的な質問であっても、人に教えるには「ギリギリ理解している」くらいでは足りないのだ。何のために、誰のために、どんな時に使う法律なのか。学びを深めていく中で、法律について窟にひとつ明快なイメージが浮かんだ。
「当たり前のことですが法律って結局、人のためにあるんです」
難解な条文の先には必ず人がいる。意味や使い方を理解して、かみ砕いて新入生に伝える履修アドバイザーの役割は、実はそのままその法律の学びにリンクしていることにも気づいた。周りを見ればアドバイザーたちは皆、学部の中でもトップクラスの成績だ。「後輩のため」にという気持ちは、いつの間にか自分たちを成長させてくれてもいたのだ。
法律は人の学びだからこそ、人を通して学ぶことで成長が加速する。「自分が助けていると思っていたら、自分が助けられていたりもする。 互いに関わることで成長できる。それが自然にできる仕組みが法学部にはあるんです」
※掲載内容は取材当時のものです。