キャンパスの中で、グローバルな出会い。
2024.04.01
京都産業大学には、オープンキャンパスの運営・案内役を務める学生団体がある。スタッフは約100人。木村がこの団体の統括になったとき「せめて今の質が落ちないようにしたい」と弱音を吐いた。それに対して仲間の1人が言った。「現状維持は衰退でしかないよ」。木村は、今もこの言葉が忘れられない。
春から夏にかけて開催されるオープンキャンパスには、毎年多くの高校生が参加する。イベント中には進路や受験勉強、大学生活やサークル活動のことまで、スタッフには様々な質問が寄せられる。それに木村は丁寧に答え、他の生徒にも話を振る。「自分が対応した高校生とは、全員とコミュニケーションをとる」。それが自身で決めたルールだった。
木村が統括に就任した今期のスローガンは「寄り添う」。この大学では悩んだとき、立ち止まったときには、必ず誰かが寄り添って背中を押してくれる。それは自分に自信がなくても、経験不足でも「仲間に支えられて今がある」と話す木村が誰よりも実感していることだ。そんな一拠点総合大学が生み出す一体感気風そのものを、高校生に伝えたかった。
「そしていつか『この大学のオープンキャンパスはどこよりも素晴らしい』と言われるくらいに盛り上げたい。それだけの努力はしているつもりです。参加を迷っている人こそ、来てほしい。絶対に損はさせません」。
昨年より、今より、前へ。それは統括に就任したあの日に決めた、木村のもう1つのルールだった。
※掲載内容は取材当時のものです。