まず、最優秀選手(MVP)に選ばれた感想を教えてください。
大庭さん:宿敵の近畿大学に勝って優勝した第46回「関西学生バスケットボール選手権大会」では私自身、得点もアシストもトップの成績ではありませんでしたから、最優秀選手(MVP)に選ばれたのは、キャプテンとしてチームを引っ張ったリーダーシップが評価されてのことだと思います。また、優勝をしていなければMVPに選ばれることはなかったと思いますが、決勝の試合展開はとても苦しく、最大11点差に広げられた状況を終盤に逆転できたのは、チームがモットーとする「堅守速攻」を体現してくれた仲間のおかげです。そのため今回のMVPは、チームに与えられた栄誉だと思っています。
バスケットボールはいつから始めたのですか?
大庭さん:バスケットボールの選手だった父の影響を受け、小学校1年生で始めました。その当時はバスケットボールだけでなく野球もしていましたが、6年生になる前にどちらか一方を選ぶことに。どちらを選ぶか非常に悩みましたが、より楽しいと思っていたバスケットボールを選び、そのまま中学校、高校、大学と続けることになりました。今思うと、小学生の時に人生の大きな選択をしたことになりますね。
競技生活の中で、思い出深いエピソードはありますか?
大庭さん:私の出身校である洛南高校は、それまで京都総体で42連覇を果たし、インターハイに出場し続ける強豪校として知られていました。周囲には中学校の頃から有名だったトップレベルの選手が多く、私はケガの影響もあって2年生になってもなかなか試合の出場機会に恵まれませんでした。それでも挫けずに努力を続け、ようやく3年生でレギュラーの座を掴みました。ところが、インターハイにあと一歩という京都予選の決勝で、洛南高校の不敗神話は崩れ、45連覇を逃してしまいます。これは全国的なニュースとなり、そのショックから立ち直れない日々が続きました。
そんな状況から、どのように立ち直ることができたのですか?
大庭さん:沈みこんでいた私を救ってくださったのが、洛南高校のOBでもある本学バスケットボール部の丸岡祥人総監督。当時、大学進学後にバスケットボールを続けるかどうか悩んでいましたが、丸岡総監督に叱咤激励され、京都産業大学への進学とバスケットボール部への入部を勧めてもらえたことは光栄でした。おかげでバスケットボールをゼロからやり直すことができました。また、4年次生になるまで私はキャプテンを務めるようなタイプの選手ではなく、シュートを決めるだけの点取り屋でした。そんな私をチーム全体を見渡してリーダーシップを発揮できるよう、人間的に成長させてもらったことへの感謝も尽きません。
最後に、今後の目標を教えてください。
大庭さん:部としては、12月にある第71回「全日本大学バスケットボール選手権大会」に出場し、ベスト4に入るのが目標です。個人の目標としては、全国各地の大学で活躍している洛南高校の同期生たちと戦い、勝利したいと思っています。また、今回のMVPによって自分のプレーに自信をもてるようになりました。卒業後はプロのバスケットボール選手になり、これまで培ってきたキャプテンシーを活かしてBリーグで活躍したいと思っています。これまで私を支えてくださった皆さんへの感謝を胸に、さらなる高みを目指して今後も努力し続けたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。