05
京都文化学研究科(通信教育課程)
京都文化学専攻
仕事をきっかけに院進へ。世界と京都のつながりを明らかにしたい。
瓜生 朋美
Tomomi Uriu
01
Shota Wada
生命科学研究科
生命科学専攻 博士後期課程2年次
※掲載内容は令和5(2023)年11月現在
大学院進学を決断した理由の1つは、学部生時代に出会った研究室の先生や先輩の影響です。研究室に配属された当初の私は、研究者は黙々と実験に没頭するものだと考えていました。しかし、実際には毎日のように先生や先輩と実験結果について議論し、面白い研究のストーリーを作るというものでした。その日々の議論を通して、自身でも研究のストーリーを創出したいという思いが強まり、大学院進学を決めました。
現在の研究室に進学した理由は、その研究室が基礎研究に必要な設備が整っていることと、その研究室で非常に興味深い発見をしたからです。学部生時代からこの研究室で研究活動を開始し、自身で新たな発見をしました。この発見をさらに展開し、発展させるためには、研究技術と専門的知識の向上が必要であると感じました。そのため、この発見を基に、自身の満足できる論文を執筆し、それを世界に発信するためにも、現在の研究室で研鑽を積むことが必要であると判断し、進学しました。
私は、細胞の中で合成されたタンパク質が、正常か異常かを見極めるセンサータンパク質に着目し、研究を行っています。我々を構成する細胞では、生命活動に必要不可欠なタンパク質が合成されています。そのタンパク質にはそれぞれ固有の構造が決められています。しかし、その構造形成は必ずしも容易ではありません。環境変化や遺伝子変異により、構造異常タンパク質が合成され、細胞内に蓄積し、細胞にストレスを与えます。そのストレスが深刻な場合、細胞が死んでしまい、アルツハイマー病を代表とする神経変性疾患や糖尿病などの病気を発症する原因となります。
そこで細胞は、そのストレスを認識し、除去するセンサータンパク質を備えています。しかし、センサータンパク質がどのようにしてストレスを感知しているのか、これまで20年以上もの間、ほとんど分かっていませんでした。私は現在、センサータンパク質の新しいストレス感知機構を解明しつつあり、この研究が成功すれば、病気の原因を理解し、新しい治療法の開発に繋がると期待されています。
将来のビジョンとして、世界で活躍できる研究者となり、日本の基礎研究分野を盛り上げたいと考えています。私は課外活動として、細胞生物学若手の会に所属しており、細胞生物学に精通する研究を盛り上げる企画等を行っています。その中で、様々な若手研究者が非常に面白い研究をされているのを知る一方で、経済的理由で研究をやめる方々を見かけてきました。私は、基礎研究の重要性を一般社会に知ってもらい、経済的なハードルを乗り越えられる環境づくりに貢献したいという大きな夢を抱いています。
朝は研究室の後輩と、研究計画や進捗状況の確認、そして実験技術の指導を行っています。昼食後は、自身の研究活動に専念し、実験や論文リサーチなどに集中しています。
博士後期課程に進学してからは、授業はほとんどないため、研究に集中できるメリットを感じています。夕方から夜にかけては、実験結果について先生や先輩とディスカッションし、その後、家に帰ります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1時限 | 1週間の研究計画表作成 | 後輩への研究指導 | 後輩への研究指導 | 学会準備 | 学会 |
2時限 | 後輩への研究指導 | その他 | その他 | 研究進捗発表会 | その他 |
3時限 | 研究 | 研究 | 研究 | 研究 | その他 |
4時限 | その他 | 論文セミナー | その他 | 学会発表練習 | その他 |
5時限 | 論文執筆 | 論文執筆 | 論文執筆 | 論文執筆 | その他 |
それ以降 | 課外活動 | 学会発表スライドの作成 | 学会発表スライドの作成 | 課外活動 | その他 |
博士後期課程に進学して以降、自身の研究成果をどのようにまとめ、国際学術誌に投稿するかを日々考えています。
学会や研究会に参加する際は、研究成果を発表するためのプレゼンの準備を先生と相談しながら進めています。
最近では、僕の指導の下に後輩が加わり、後輩の研究と自身の研究を進めています。
また、課外活動も行っており、研究・実験と課外活動を両立できるように日々努力しています。