経済学には科学(science)の側面と工学(engineering)の側面があると言われます。前者は、人間行動や経済社会の精緻な理論モデルに基づいて、社会現象を論理的に説明し、よりよい社会を実現するための政策を考案するというものです。後者は、さまざまなデータを用いて、理論的に導かれた結果を実証・評価し、政策目標を実現するためのより具体的な制度設計や提言を行うというものです。
本研究科では、これら2つの側面を体系的に学ぶためのカリキュラムが用意されています。初年次のコースワークでは、ミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学といった現代経済学の基礎をより高度なレベルで学びます。これを土台として、2年次以降は研究対象や関心に応じて、金融、財政、貿易、労働、産業、歴史などといった発展的科目が展開され、きめ細やかな研究指導が行われます。本研究科での学修を通じて、最新の経済理論と分析手法を身につけ、高度専門職業人や研究者及び高度で知的な素養のある人材となることを期待します。
大学院 経済学研究科長
加茂 知幸