情報テクノロジーで社会はこう変わる!

情報テクノロジーで社会はこう変わる!
超高齢社会を迎えた日本で、運転手の健康上のトラブルによる交通事故の発生が近年社会問題となっています。私はその問題を解決すべく、バス会社を含む総務省の産学連携プロジェクトのなかで「IoTによるバスの安全運転支援システム」の開発に携わりました。センサを使って運転手の健康状態を収集し、クラウドシステムでそのデータを処理するこのシステムは、運転手の健康状態や運転傾向、さらには道路状況なども組み合わせて分析を行い、危険を事前に察知する画期的な仕組みです。みなさんもご存知のとおり、AIやIoTの技術を使った自動運転システムは、今後社会の大きなイノベーションになります。実用化には、道路状況のビッグデータベース化なども不可欠になり、周辺の交通情報のデータ化に取り組んだ、私の研究も今後応用できると考えています。さらに、IoTで収集・分析したデータの適切な流通を図るためには、情報提供者・利用者で合意形成が可能なセキュリティシステムの構築が必要となります。つまり、こうした自動運転システムをはじめ、これからのイノベーション技術の創造には、知識や技術を複合的につないでいくことが重要となります。
2018年に誕生する京都産業大学情報理工学部は、こうした最先端のものづくりに応えられるよう、10コースで柔軟に学べるカリキュラムを設けます。また、京都産業大学は創立時から企業なども連携して研究開発に取り組んできました。企業や現場の人と実際にものづくりを行いながら、社会を変革できる手応えややりがいを学生時代から味わってほしいと思います。情報テクノロジーは、インフラ、産業、街づくりなどさまざまな分野で、これからの世の中を動かす力になるはずです。

先進技術で社会の課題を解決、暮らしやすい社会をつくる。

ITなどの先進技術を使って、環境問題をはじめ、災害対策、交通システムなど、現代社会の課題やニーズに応えるのが「スマートシティ」です。例えば、街のゴミ箱にセンサを設置し、たまり具合をクラウドで集約してゴミ収集車に伝えれば、無駄なゴミ収集が不要で効率化・経費削減に役立ちます。今後IoTの普及により、スマートシティは一層本格化します。

事故もCO2も削減するうえ便利、そんな夢のテクノロジー。

自動運転技術を実用化するには、AIはもちろん、高度なセンサ技術や道路情報のデータベース化など、さまざまなテクノロジーの融合が不可欠です。超高齢社会の日本ではとりわけ高齢者の交通事故の削減や、渋滞の緩和、CO₂削減など、現代社会が抱えるさまざまな課題解決にも大いに役立つでしょう。

ネット一元管理の工場で、早く安く「売れる商品」をつくる

すべての生産ラインがネットでつながれば、設計から製造まで一貫して管理できます。また、顧客から得た情報をAIが分析し、最適な商品はなにか、どのくらい必要かを即座に割り出して製造できるようになるかもしれません。「売れる商品」が効率的かつ低コストでつくれるようになり、世界のものづくりは激変するでしょう。

ビッグデータの活用が、革新的なビジネスを生む時代に。

SNSやポイントカードなどさまざまなサービスを利用することで各事業者に提供された個人情報を一括管理して運用する、まさに情報の銀行なるものが注目されています。こうしたビッグデータの活用は革新的なビジネスを生み出す一方、適切なセキュリティ対策と利害関係者で合意が得られる仕組みの構築が重大な課題となります。
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