情報テクノロジーで生活はこう変わる!
情報テクノロジーと私たちの生活との関係を考えるうえで大切なこと。それは、自分の生活情報そのものがデータとなり、活用していけるということです。ではどのように生活情報を測り、情報を提示したり活用したりするか。そこが重要なテーマになってきます。私の研究室では、実際に人が暮らすことができる実験住宅を使って、さまざまな実証実験を行っています。たとえば浴槽にセンサを組み込み、入浴中の心拍数や湯水の動きなどを測定。そのデータを音に変換することで、入浴中の状況を他の部屋にいる家族が把握できる仕組みを作りました。また、玄関の壁や床に天気情報を表示するシステムも考案。雨が降ったり、風が強いなどのアニメーションをプロジェクションマッピングで表現することで、誰にでも直感的にわかり、かつ生活に彩りを与えるものになると考えています。自宅ではスマートフォンを持ち歩くのではなく、住む人の好みや生活スタイルに合わせ、部屋や洗面台などの住宅設備にアプリをインストールして、生活空間の機能を追加・切り替えできるようにする。それが、近未来の生活スタイルになるでしょう。また、このように音やアニメーションなどを組み合わせ、情報をインタラクティブに表現する仕組み作りは、ゲーム作りに似ています。ゲームの技術がゲーム以外の場面で使われること、さまざまなビジネスへの応用が進んでいることにもぜひ注目してください。
ハード、ソフト、ネットワークも含めたコンピュータについてしっかり理解する。そして、情報テクノロジーを適切に活用し、世の中に提供できるサービスやものづくりにかかわっていける人になってほしいと思います。京都産業大学情報理工学部※で、未来の生活につながる研究開発に取り組むやりがいを感じてください。
ハード、ソフト、ネットワークも含めたコンピュータについてしっかり理解する。そして、情報テクノロジーを適切に活用し、世の中に提供できるサービスやものづくりにかかわっていける人になってほしいと思います。京都産業大学情報理工学部※で、未来の生活につながる研究開発に取り組むやりがいを感じてください。
病気の早期発見や健康維持に役立てる
腕時計やメガネなど、私たちが日常身につけているもので脈波や血圧、脳波などを測って疲労度を推定したり、ヘルスメーターなどのIoT機器がインターネットサービスとして活用されることが一般的になりつつあります。毎日の測定データを活用すれば、生活習慣病の予防や病気の早期発見にもつながるでしょう。また、それらのデータは、生命保険の保険料割引など、関連サービスにも繋がっていきます。
家の玄関に立つだけで今日一日の天気がわかる
玄関で靴を履こうとする動きをセンサが検出すると、天気予報の情報が玄関の床や壁にプロジェクトマッピングで投影される。雨の降り方や風の強さなどに応じてアニメーションも変化し、スケジュールと連動させれば出張先の天気も映し出す。このように生活スタイルに合わせ、ハイブリッドな空間をITでつくっていけるようになるでしょう。
見た目や声、振る舞いも自分好みにカスタマイズ
決まった動きや反応だけでなく、相手やその場の状況に応じた表現を示してくれるロボットの開発が進んでいます。特に人型ロボットの場合、声や返事の仕方、振る舞いひとつで印象は大きく変わるものです。人型に限らず、さまざまな目的や好みに応じた形、かつカスタマイズされたロボットと一緒に暮らす日もそう遠くありません。
異常を察知する防犯機能で家族の安全を見守る
防犯カメラやセキュリティシステムを導入しなくても、住宅そのものが防犯機能を有し、日々の暮らしを見守ります。家の壁や床、ドアノブ、家電や家具など身の回りのあらゆるものに埋め込まれたコンピュータが、何らかの異常やいつもと違う動作などを察知。離れて暮らす家族、子どもや高齢者の安全を見守るシステムとしても実現できるでしょう。