英語をペラペラ喋りたい?ならば多読を! 2024.05.29
突然ですが、トイレの水タンクを思い浮かべて下さい。水がタンクに溜まるのには時間がかかりますが、流せば一気に流れ出します。英語も同じです。アウトプット、つまり英語をペラペラ話すには、インプットが必要になります。インプットがアウトプットに繋がるには時間がかかりますが、インプットの最も効率的な方法が多読で、多読はアウトプットへの近道になります。
多読とは?
こちらの写真を見て下さい。高校での英語授業を経験したり受験勉強に励んでいる皆さんは「読める」と感じることでしょう。でも、皆さんにとっての「読める」は辞書を使いながら一文一文日本語に訳すことではないでしょうか?これは、英語ではintensive readingと呼ばれる読み方で、多読 (extensive reading) とは違います。
次にこちらの本です。これを見て、「わかるにきまってる!バカにしてんのか!」と怒りたくなる人がいるかもしれません。でも、多読初心者はこのような本から始めるのが効果的です。多読とは文字通りたくさんたくさん読むことですが、わかるにきまってるような本を大量に読むことが重要になります。
なぜ (その1)?
わかるにきまってるような本には、皆さんが知らない単語がほとんど出てきません。だから、辞書を使う必要もなくスラスラ止まらずに読み進めることができます。スラスラ次から次へと何冊も何冊も読み進めると読むスピードが上がります。スピードが上がると大量に読めます。タンクに水が溜まる時間を短縮できるのです。
なぜ (その2)?
わかるにきまってるような本は、皆さんの脳を英語脳にする訓練に最適です。イラストが多いので、イラストとイラストを繋いで頭の中で映画を作るような感覚で読み進め、日本語が頭の中に浮かんでこないようにする練習をします。これを大量の本で行うと、英語を英語のまま自動的に理解する回路が脳の中で形成されます。英語脳です。
なぜ (その3)?
わかるにきまってるような本は、日常会話に必要とされる基本語で書かれています。その基本語が本によって色々な場面で使われていて、英語脳で大量に読んでいくうちに、英単語が英語の感覚のまま文脈と共に溜まっていきます。日本語で考えて頭の中で英語に直す、ということが必要なくなりますので、アウトプットの際には自然な英語がスラスラ頭から流れ出てきます。
多読 (extensive reading) はpleasure reading とも呼ばれていて、まさに楽しみながら英語を学ぶ学習法です。冒険ものにハラハラしたり、恋バナにドキドキしたり、友情ものにホノボノしたり。楽しくて楽ちんな多読を、さあ始めましょう!
桜井 延子 准教授
外国語学部 英語学科