日本語パートナーズ レポート 矢野 星波さん
タイ[活動期間:2017年5月~2018年3月]
私は今、日本語パートナーズのタイ5期として、タイ最北のチェンライ県メーサイ市のメーサイプラシットサート学校で活動しています。日本のファンを増やすということを目標に、5月から来年の3月までの10ヶ月間、現地のタイの日本語教師(以下、CP)のパートナー(以下、NP)として、タイの学生に日本語や日本文化を教えています。 メーサイという都市は、ミャンマーと国境を接しており、イミグレーションを越えるとミャンマーへ行くことができます。イミグレーションの周りには、『ワット・ドイワオ』というお寺や『ドイワオマーケット』という市場があり、とても賑やかです。そのため、観光や商売など様々な目的で多くの人々が両国を行き来します。他の国へ歩いて行けることなど、日本ではまず経験できないので、とても新鮮で面白いです。
日中の主な移動手段としては、徒歩やソンテウ(乗り合いバス)などです。また、アパートは学校の近くにあり、毎日歩いて学校へ行きます。周りには、スーパーやコンビニ、屋台などが沢山あるため、日常生活にそれほど不便さは感じません。アパートの管理人の方々は、困ったときには助けに来てくれ、みなさん本当に優しい方ばかりです。
学校は中高一貫の公立校で、全校生徒は2800人ほど、その中で日本語専攻の生徒は26人、日本語選択の生徒は18人です。2016年に日本語学科が設置されたばかりなので、M6(高校3年生)はいなくて、M5(高校2年生)11人、M4(高校1年生)15人、選択のM2(中学2年生)そして日本語クラブを教えています。
しかし、3ヶ月を過ぎた頃からようやく慣れてきて、学校へ行くのが楽しくなりました。生徒は、すごく日本語・日本文化が好きで、勉強した文法や言葉を使って一生懸命話しかけてくれます。CPは、生徒にも私にもとても優しく、たくさん面倒を見てくださります。
日本語キャンプや日本語コンテスト、他にも行事が多い学校なので、その度に、私も同行させてもらいます。また、日本の学校や都市、病院と姉妹関係を結んでいるため、タイ側で日本人の相手をするという、少し不思議な経験をすることもできました。
タイの人は、穏やかで優しくて素直です。私自身、いろんな人に助けられました。
しかし、NP活動において、一番心の支えになったのは、一緒にNP活動をしている仲間です。もちろん、家族や日本の友だちもですが、同じ状況で同じような悩みを抱えながら頑張っている者同士だからこそ、理解しあえることや、協力できることがたくさんあります。私が一番辛くて、しんどいときも、そばにいてくれたのは他県の一番仲のいいNPの子でした。
私がこの日本語パートナーズに参加したのは、将来、日本語教師になりたいからです。そのための経験を少しでも長くできるように、半年任期のインドネシアではなく10ヶ月任期のタイにしました。
実際に挑戦して、今までになかったような悩み事や、頼れる人が側にいないこと、日本語を教えることの難しさ、社会の厳しさなど、たくさんの壁にぶち当たりました。
しかし、その分、今まで考えたことのない角度から物事を考えることができるようになり、視野が広がりました。
日本語パートナーズに参加する前は、誰かに頼ってばかりで、自分にもとても甘かったように思います。全く違う環境、立場で生活していくうちに少しずつ自立できるようになりました。
残された時間は、もうあと3ヶ月程です。思っていたより時間が経つのが早く、やろうとしていたことが、まだ全然できていません。残りの時間で自分ができること、日本のファンを少しでも多く増やして、CPや生徒たちに、『来てくれてよかった。』と思ってもらえるように全力で頑張りたいと思います。