先輩の学び(インドネシア語専攻)
インドネシアの社会課題に取り組み
本当の語学力が身に付いた。
Tidak apa-apa
「気にしない、問題ない」
インドネシアに留学中、困っていた私を救ってくれた一言。
明るくフレンドリーなインドネシア人らしさが詰まった言葉です。
中学時代に家族旅行で訪れたインドネシア。それ以来、「活気のある国だ」という印象が心に刻まれていました。将来は日本と東南アジアの架け橋になる仕事がしたいと考え、まずは言語から学ぼうとインドネシア語専攻を選びました。
授業ではネイティブスピーカーの先生の指導の下、インドネシア語を基礎から学びます。教科書だけでなく、現地のニュースも題材にして文化や歴史、社会情勢などを多角的に学ぶことで、インドネシアへの理解を深めることができます。
3年次にはサナタ・ダルマ大学への6カ月間の長期留学に挑戦。近年のインドネシアは経済成長が進む一方で、ごみ問題が深刻化しています。そこで私は、ごみ処理施設を取材したり、海に潜って珊瑚礁の漂流ごみを回収したりと、各地に足を運んで調査を行いました。もちろん、人々との会話は全てインドネシア語。これまで講義で培ってきた語学力のおかげで、会話がスムーズにできました。現地では、さまざまな背景や組織の人と話す中で、生きたインドネシア語が身に付き、さらに語学力が向上したと実感しています。社会課題に対する当事者意識が強まっただけでなく、慣れない土地で積極的に行動した経験も大きな自信につながりました。何より、インドネシア人の親切さ、国民性に触れたことで、留学前よりもっとインドネシアが好きになりました。
卒業後は貿易商社に就職し、日本の製品を世界に広げる仕事に携わりたいと考えています。日本と世界をむすぶ中で、インドネシアとも関わりを持ち続けたいです。
アジア言語学科 インドネシア語専攻 4年次
仲西 孝太郎さん
※掲載内容は取材当時のものです。
オープンな国民性に触れ
人と心を通わせる喜びを再確認
terima kasih
「ありがとう」
一番初めに覚え、大学生活中一番使用した言葉です。
大学では東南アジア、特にインドネシアについて学ぶと決めていました。外国語学部を選んだのは、せっかくなら言語という切り口から挑戦する方が面白いのではないかと、直感的に思ったからでした。インドネシア語は、いざ勉強してみると想像以上に難しく、でもどこかとっつきやすくて覚えやすい。授業では、辞書やスマホの翻訳アプリを活用して現地の新聞を読み、語学と共に時事や歴史への理解も深めます。インドネシアは高度経済成長期の日本を彷彿とさせるところがあり、インドネシアの人々は「この国の未来を良くしたい」というエネルギーに満ちています。教材を通じてそんな一面に触れるたび、インドネシアの国風や国民性に強く惹かれていきました。この専攻で学ぶ醍醐味は、先生たちとの生きたコミュニケーション。ネイティブの先生方はとてもフレンドリーで、私の拙いインドネシア語でも真剣に、そして嬉しそうに聞いてくれます。顔を合わせれば、その日食べたランチや休日の予定を語るくらい、よく会話をする関係に。内向的な学生さえ、入学当初とは見違えるぐらい口数が多くなります。「次会った時はこんなことを話そう」と思って過ごすうちに、語学の上達はもちろん、心を開いて対話をする楽しさを実感します。自分という人間を開示し、いろんな人と関係を築けるようになったのが、この専攻での学びや出会いを通じて一番成長を感じたところです。
アジア言語学科 インドネシア語専攻 4年次
多羅尾 海輝さん
※掲載内容は取材当時のものです。
日本では話し手が少ない言語だから、
仕事のチャンスが広がっている。
bisa
「できる」
大学生活の出発点。初めて教わった単語です。
多数の民族の共通語として作られたインドネシア語は、世界一習得しやすいといわれる言語です。過去形・未来形といった複雑な時制もなく、たいていはローマ字読みで通じるので日本人にも親しみやすいと思います。
印象に残っているのは、1年次の海外実習でインドネシアを訪れたときのこと。日本人にとってインドネシアの文化や言語は馴染みが薄いですが、現地の人たちは日本について興味津々。私たちに対する歓迎ムードも驚くほどでした。とてもフレンドリーで、拙いインドネシア語でも寛容に受け入れてくれます。400を超える民族が共生するインドネシアの人たちにとって「言語は違ってあたりまえ」。お互いを理解したいという気持ちの先に、異文化への理解が生まれることを実感しました。日本語を学ぶインドネシア人も多く、日本との関わりは今後どんどん強くなっていくと感じています。
インドネシアについて学ぶうち、いつか向こうで仕事をしてみたいと考えるようになりました。まだ日本では話し手が少ないこの言語なら、将来の選択肢がグンと広がるように感じています。
アジア言語学科 インドネシア語専攻 3年次
坂井 麗笙さん
※掲載内容は取材当時のものです。
世界一習得しやすく、
可能性を無限大に秘めた言語。
Sedikit-sedikit lama-lama menjadi bukit.
「少しずつ時間をかけて丘になる」
「継続は力なり」と似たインドネシアのことわざです。コツコツやれば、
いつか大きな成果につながる。いつも自分の心の中にとどめている言葉です。
インドネシア語は世界一習得しやすい言語といわれています。ローマ字読みで日本人が発音しやすく、過去形・未来形といった時制による変化がないので単語や文法もそれほど難しくありません。インドネシア語がシンプルなのは、インドネシアに暮らすさまざまな民族の言語を国全体で統一するために生まれたためで、使われるようになってきた時代も1920年~30年代からと歴史的にもまだ新しい言語です。
日本人にとってインドネシアはまだまだマイナーな国ですが、インドネシア人はほぼ全員が日本のことを知っています。例えば現地で放送されているアニメや、道路を走っている車やバイクのほとんどが日本製。最近では日本の飲食業も多数進出しています。日常的に日本の文化や製品に触れている影響で、日本語を学びたい人や日本で働きたいという人も少なくありません。
なにより2度の留学で驚いたのは、 高度経済成長の真っただ中のような現地の熱気です。首都ジャカルタを中心にアジアやヨーロッパなどさまざまな国の企業が参入し、次々に高層ビルが建っている。
こうした両国の知名度の違いと現地の熱気を知って「これはビジネスに生かせるのでは?」とインドネシアと日本を結ぶ確かな需要と可能性を感じました。世界的にもまだマイナーな言語だからこそ、学ぶ価値は十分にあると思います。
卒業後は、インドネシアの経済や文化を日本語で発信する新聞社の記者として現地で働きます。企業や政治家へのインタビュー、現地の新聞の和訳や要約記事の作成など幅広く取り扱う仕事です。この専攻で学んだ言語が役立つのはもちろん、今のインドネシアを肌で感じたからこそ発信できるものがあると信じています。
アジア言語学科 インドネシア語専攻 4年次
長田 陸さん
※掲載内容は取材当時のものです。
「世界一覚えやすい」と評される理由があります。
言葉の原点に立ち返って
思いが伝わるって純粋にうれしい。インドネシア語は、私にそんな言葉の本質そのものを気付かせてくれました。インドネシアは1万7,000余りの島々に250もの民族が暮らす多民族国家。その共通語として、第二次世界大戦後に誕生したのがインドネシア語です。
「世界一覚えやすい言語」と評される通り、インドネシア語はアルファベット表記でシンプルな読み方が基本。ただ実際は、地方や民族ごとに無数の言語があるため、国民同士でも会話がスムーズにいかないことも。そのたび、お互いの気持ちを探り合うようにコミュニケーションを取る光景を、留学中に何度も目の当たりにしました。
私自身もその輪に加わり、「伝わった!」「そういうことだったのか!」と言葉の本質に気付いた瞬間がありました。シンプルな言語だからこそ、とっつきやすく本質がつかみやすい。英語と並行して修得し、トリリンガルを目指すこともできます。
アジア言語学科 インドネシア語専攻 4年次
友次 奈実季さん
※掲載内容は取材当時のものです。