令和5年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

本年度は研究演習科目について目下の課題を認識・共有し、魅力ある新カリキュラムに向けた基盤を構築することを重点としている。
本学部の研究演習は、1、2年次の学習の基礎に立ち3年次から履修するもので、課題の発見と研究、発表が中心となる科目である。調査結果の分析にあたって、研究演習科目は少人数クラスのため学生が回答しにくく回答率が低い、また母数が少ないため調査結果の分析も困難であるとの指摘があった。春学期の研究演習(Ⅰ・Ⅲ)では、学習時間・到達目標の達成感・学習意欲・満足度の全ての項目で全学の平均を大きく上回った。最も顕著なのは「授業の到達目標にどの程度到達できたと思うか」という達成感を問う設問で、続いて「この科目の学習を通じて、大学で学ぶ意欲が高まったか」という学習意欲を問う設問だった。少数クラスの実習科目が多数を占める本学部の結果と比べても同様に全ての設問において学部平均を上回った。学習時間の長さも顕著であると言えるだろう。これらの傾向は従来と大きな変化はない。また、3年次(演習Ⅰ)と4年次(演習Ⅲ)の結果に大きな差は見られなかった。他の科目では学習時間の不足が指摘される事も多いが、研究演習では、学習時間が他科目より長く、その事が達成感や満足度を下げるマイナス方向ではなくプラスに働いていることがわかる。本科目のように、学生が自らテーマを決め、主体的に研究し、発表すると言う学習スタイルが学生に望まれていると言えるだろう。
研究演習科目は説明会を行い、各クラスのテーマと内容を理解した上で申し込む事としているが、設問1の「受講理由」について、一部「3年次生がやや消極的な理由に基づいていたことがわかる」との指摘があった。クラス選択でのミスマッチを減らすには、1,2年次の専攻語及び専攻語圏に関する学びに研究演習での研究分野やテーマを意識した内容を取り入れるなどが検討できる。
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