令和5年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」
1.「学習成果実感調査」についての分析結果
令和5年度秋学期、外国語学部では対象科目519科目のうち495科目で「学習成果実感調査」を実施した。実施率は95.4%、回答率は43%であった。春学期の実施率96.6%、回答率55.4%と比べると回答率の低下が顕著である。回答が半数を割っていることから、調査結果が学生全体の傾向を正確に把握したものと言い切れない懸念が残る。特に「研究演習Ⅳ」は履修者が少ないうえに回答率も低く、回答者が1名の科目が約半数あった。また専攻によって回答率に顕著な差がみられた。多くの教員が授業時間を割いて周知し、回答を促すなど対策を講じているが、回答期間が学年末の期間外試験と重なったことも回答率の低下の一因かもしれない。
調査から観察される全般的な傾向としては、外国語学部では、授業の到達目標に対する達成度の実感(設問3)、学ぶ意欲の高まり(設問4)、満足度(設問5)においてはいずれも全学平均より高めのスコアであることが挙げられる。これは、外国語学部では専攻語科目など学習内容が明確で授業規模も小さいため教員と学生の距離が近く、きめ細やかな指導が可能な科目が多い事によると考えられる。しかし一方で事前・事後学習の時間数を示すスコア(設問2)は、全学平均と僅差で、中には全学平均を下回る科目区分もあった。事前・事後学習の強化をもたらす新しい授業形態の導入が課題と言える。
本年度、外国語学部は研究演習科目について目下の課題を認識・共有し、魅力ある新カリキュラムに向けた基盤を構築することを重点に取り組んだ。秋学期の研究演習科目を俯瞰すると、春学期同様学習時間・到達目標に対する達成度の実感・学ぶ意欲の高まり・満足度の全ての設問で学部平均スコアを上回る傾向が見られたことから、学生が自らテーマを決め、主体的に研究し、発表するという研究演習の学習スタイルが学生に訴求されていることは見て取れる。しかし一方で、一部専攻の「研究演習Ⅱ」では履修動機(設問1)の首位が「カリキュラム上の必要」と消極的で、事前・事後学習の時間が「研究演習Ⅳ」に比べて短いことがわかった。つまり一部の3年次生は、研究演習を選ぶ段階で明確な学びの目標やテーマを持たず、履修中も能動的な学習や研究に打ち込めていないと言える。外国語学部は研究演習を4年間の学びの集大成として位置付け、3,4年次連続の履修を強く指導しており、このような実態を改善するためには、1,2年次の各科目において、「解決すべき課題」を「多様な視点から」考察することをより積極的に意識させ、研究演習への導入を図る必要がある。
調査から観察される全般的な傾向としては、外国語学部では、授業の到達目標に対する達成度の実感(設問3)、学ぶ意欲の高まり(設問4)、満足度(設問5)においてはいずれも全学平均より高めのスコアであることが挙げられる。これは、外国語学部では専攻語科目など学習内容が明確で授業規模も小さいため教員と学生の距離が近く、きめ細やかな指導が可能な科目が多い事によると考えられる。しかし一方で事前・事後学習の時間数を示すスコア(設問2)は、全学平均と僅差で、中には全学平均を下回る科目区分もあった。事前・事後学習の強化をもたらす新しい授業形態の導入が課題と言える。
本年度、外国語学部は研究演習科目について目下の課題を認識・共有し、魅力ある新カリキュラムに向けた基盤を構築することを重点に取り組んだ。秋学期の研究演習科目を俯瞰すると、春学期同様学習時間・到達目標に対する達成度の実感・学ぶ意欲の高まり・満足度の全ての設問で学部平均スコアを上回る傾向が見られたことから、学生が自らテーマを決め、主体的に研究し、発表するという研究演習の学習スタイルが学生に訴求されていることは見て取れる。しかし一方で、一部専攻の「研究演習Ⅱ」では履修動機(設問1)の首位が「カリキュラム上の必要」と消極的で、事前・事後学習の時間が「研究演習Ⅳ」に比べて短いことがわかった。つまり一部の3年次生は、研究演習を選ぶ段階で明確な学びの目標やテーマを持たず、履修中も能動的な学習や研究に打ち込めていないと言える。外国語学部は研究演習を4年間の学びの集大成として位置付け、3,4年次連続の履修を強く指導しており、このような実態を改善するためには、1,2年次の各科目において、「解決すべき課題」を「多様な視点から」考察することをより積極的に意識させ、研究演習への導入を図る必要がある。
2. 学部独自のFD活動についての報告
(1)公開授業とワークショップ
- 公開授業:
- 科目:「ヨーロッパ言語研究演習」
- 担当教員:平野亜矢子准教授
- 実施日/場所:秋学期のPBL型授業をまとめた動画を制作、視聴 外国語学部FD「PBL授業の実践」
- 参加人数:50 回(視聴回数)
- ワークショップ:
- 実施日/場所:動画公開後TEAMSにおける意見交換
- ワークショップでの意見交換内容:視聴した動画の内容に基づき、PBL型授業と言語教育(language learning) の関係などについてTEAMSを使った質疑応答形式で意見交換を行った。またPBL型授業を検討する上で有益なコンテンツについても情報交換を行った。
(2)その他研修会等
- テーマ:「外国語教育×PBL×AI₌?」
- 概要:札幌国際大学人文学部 杉江聡子准教授による講演とワークショップ
- 実施日:2024年2月29日(木)
- 参加人数:33名
3. 総括
(1)1.と2.において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所
専攻語科目や研究演習科目など、少人数制で学習内容が明確な科目は一定程度の満足度を得ていると言える。
(2)1. と2. において確認された改善すべき点
- 研究演習を学びの集大成としてどのように位置づけるかが喫緊の課題である。
- 低学年の科目において、早くから学習テーマや目標の設定を意識させるような学びを取り入れる必要がある。
- 外国語学部の特色あるPBL型授業やAIを活用した言語教育など新たな手法を学部全体で検討し開発する必要がある。
4. 次年度に向けての取り組み
PBL、COIL、AIなど時代の要請に合致した新たな教育手法について、これまでに研修等で蓄積した知見を基礎に、現行のカリキュラムを大胆に見直し、学部のカリキュラム改編に向けた取り組みを加速する。