令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

外国語学部は2020年度から「教員のICTスキルの向上」を旗印とするカリキュラムをスタートさせた。これがどのような教育的効果を生み出すのかを継続的に検証し、必要に応じて迅速に対処することを目的として、本学部では、昨年度と同様に、全ての開講科目で学習成果実感調査を実施した。具体的に春学期は、対象となる520科目のうち468科目で実施し(実施率90%)、履修者11,228人のうち5,400人が回答した(回答率48%以上)。授業形式の割合は、対面授業が42%、オンラインがライブ配信、録画配信含め56%であった。

すでにオンライン授業を開始して1年半が経ち、通信機器の不具合や扱い方の問題はほぼ解消されたと考えていいだろう。授業の満足などについても昨年度よりも若干向上しており(4.2 → 4.27)、良い兆候が見えてきた。対面授業が増え、教員と学生の関係性がより緊密になってきたのが主な原因ではないかと考えている。というのも、録画配信の授業形態は内容の良さよりも、いかに頻繁に学生にフィードバックできるかが評価向上のカギとなっている。アンケートの不満事項で最も多いのが教員のフィードバックの少なさである。対面授業に移行することでこの点が自然に解消されてきており、全体の満足度の向上につながったのではないかと推察する。

オンライン授業の重要性はこれからも変わらないだろうが、オンラインだから学習意欲が高まったわけではなさそうだ。受講者の46%が「変わらない」と答えており、7%が意欲が「下がった」と答えている。とはいえ、46%もの学生が意欲が「上がった」と答えている点は注目に値する。外国語学部全体のオンラン授業の質が高かったことがうかがえる。今後対面授業が増えていくことになるだろうが、オンライン授業で培った技能やノウハウを使って録画配信による反転授業などに応用するなどの新たな授業展開が期待される。
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