平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

満足度が高い学生ほど準備学習時間が長い傾向があるが、短い学生も多い。準備学習に時間をかけている学生は、シラバスの準備学習についての指示を参照しており、また、するべきことが明確だったと回答している。しかし、シラバスの指示を参考にしたり、するべきことが明確だったと回答していても、準備学習時間が長いとは限らない。1・2年生の必修科目では、「基礎演習」、ついで、「○○入門」や「情報○○」の満足度が低かった。研究演習では、国際関係研究演習が最も満足度が高く、準備学習の時間も長かった。(詳細は下記のPDFデータ参照)

2. 「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」:のべ40名参加
    英語学科:10月24日(火)英語研究演習Ⅱ(高橋 眞理 教授)、応用言語学Ⅰ(大和 隆介 教授)
    ヨーロッパ言語学科:11月7日(火)~11月29日(水)、専門セミナー(複数の教員が担当)
    アジア言語学科:9月27日(水)専攻インドネシア語Ⅳ(安田 和彦 教授)
    国際関係学科:11月14日(火)ライティング国際関係英語Ⅱ(ストレフォード・パトリック・ウイリアム 教授)
  2. 「ワークショップ」:のべ32名参加

(2)ワークショップでの意見交換内容

今年は、学科別にワークショップを行った。
英語学科(10月25日、11月8日):日本語母語話者教員が専門教育科目を英語で教えることについて、その是非、メリットやデメリットなどが討議された。
ヨーロッパ言語学科(11月29日):「専門セミナー」の公開授業について意見交換が行われた。ヨーロッパ言語は相互に類似性が高いので、教授法について有意義な議論がなされた。
アジア言語学科(9月27日):「アクティブラーニング」推奨に伴う問題点や、語学科目との親和性について意見交換が行われた。
国際関係学科(11月16日):公開授業をモデルケースとして、国際関係学部の設置に向けて英語授業の展開について議論が行われた。

3. 総括

(1)1. と2. において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

「学習成果実感調査」では、満足度・面白さ・習得度・理解しやすさに関する設問に対して、肯定的な回答が多い。「公開授業」および「ワークショップ」については、今年は学科別に行ったが、授業のあり方について熱心に議論が行われた。

(2)1. と2. において確認された改善すべき点

「学習実感調査」では、満足度が高くても、事前事後学習の時間の短い学生の存在が確認された。また、他の科目群と比較して、満足度の低い、あるいは、事前事後学習の短いいくつかの科目群が分かった。「公開授業」については、授業の種類によっては、他の教員が参加できる曜日時限に公開授業を設定するのが難しい。実際、授業によっては参観者が極めて少ない。今後、公開授業のあり方についてなんらかの検討が必要なのではないだろうか。

4. 次年度に向けての取り組み

再来年には、国際関係学科が国際関係学部となり、英語学科・ヨーロッパ言語学科・アジア言語学科の三学科体制になる。そこで、外国学部のさらなる発展のために、新カリキュラムを導入する。次年度は、この新カリキュラムの導入を控え、その準備となる取り組みを行っていく。具体的には、新しい教育手法・教育システムを学んだり、社会が求める英語力を理解する勉強会・研修会を実施する。また、複言語主義をテーマとする学部内シンポジウムを開催する。
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