京都の景観は100年後も残っていますか?

時事問題を例に学部の学びを知ろう 時事問題を例に学部の学びを知ろう

京都の景観は100年後も 同じように残っていますか?

伝統的な建築物や美しい街並みを守るため、 京都には厳しい建築規制が設けられています。 100年後も、京都の景観は維持されているのでしょうか。

古い建物を修繕し、
建て替えを行いながら京都の景観は守られていくでしょう。

1960年代の京都の街並み

京都の地形は、周囲が山に囲まれ窪んで低くなっている盆地といわれる形をしています。都市設計としては、1,200年ほど前につくられた平安京がベースになっています。長い間、古都の姿を維持できたのは、人々が景観に価値を置いてきたことにあります。そして今後も、古くなった建物を修繕し、建て替えを行いながら京都の景観は守られていくと予測できます。
京都市の規制は厳しく、都心部での建物の高さは31mまでと決まっていることから、超高層ビルやタワーマンションを建てることはできません。また、屋外広告や看板も規制の対象で、建物のデザインや色も自然と調和するものなどと、細かく求められます。とはいえ、GIS(地理情報システム)を使って、この30年の街並みの変化を分析すると、都心部に高層建物が増えているのは明確です。

1階部分は木造建築風に仕立てたカフェの印象でありながら、建物自体は鉄筋コンクリート造のマンションやホテルになっている。町家のように見えて、後ろには高層ビルが立ち並んでいる場合もあります。
木造の建物は経年とともに劣化するので建て替える必要がありますが、建物自体は現代的な建築物に変化しながらも、入口のみ木造建築風につくるなどして京都らしさを残し、京都のブランドを守っていくのです。京都の景観という意味では、100年後も残存しているでしょう。

文化学部 京都文化学科
桐村 喬 准教授

専門分野:人文地理学、都市地理学、GIS(地理情報システム)

PAGE TOP