総合生命科学部 第5・6回バイオフォーラム開催報告
平成23年10月5日(水)、10月7日(金)に本学15号館15102セミナー室にて第5・6回バイオフォーラムを開催し、各テーマに沿っての発表が行われ、講演後は活発な議論が行われました(※要旨等の詳細は下記参照)。
バイオフォーラムは、学内外問わずに生命科学分野の第一線でご活躍されている先生に講演いただき、参加者の方に最先端の研究に触れていただくことを目的として開催しています。
昨年度に引き続き、本年度も10回以上の開催を計画しております。詳細が決まり次第、本学HPへ情報公開しますので、ぜひご参加いただければ幸いです。
第5回
10月5日(水)開催
演題
「Health Effects of Inhaled Nanoparticles on Human Health: How Tiny Particles Might Affect the Nose, Brain, Heart and Lungs」
講師
カリフォルニア大学デービス校(UCD)獣医学部教授・健康環境センター長
Kent E Pinkerton教授
要旨
環境中に存在する工業的に作られたナノ粒子は、呼吸器系から吸収、輸送され、生体内に取り込まれる。煙やエアロゾル中には多種多様な微粒子、超微粒子であるナノ粒子が存在し、生体内に取り込まれた場合、呼吸器系を介して神経系へと運ばれる。しかし、これらの環境中にあるナノ粒子のサイズ、化学的な成分の違いによる健康に及ぼす影響は異なり、それぞれのナノ粒子について評価をする必要がある。本講演では、職場や環境中にあるナノ粒子の生体への影響の評価基準について解説した。
第6回
10月7日(金)開催
講師
熊本大学 生命資源研究・支援センター
中潟 直己 教授
演題
「マウスにおける生殖工学技術とその応用」
要旨
近年、遺伝子改変マウスが爆発的な勢いで増えており、その効率的な作製・保存・供給を行うために、様々な生殖工学技術が開発、応用されている。例えば、たった1匹の雄から得られた精子を凍結保存すれば、体外受精―胚移植により、1,000匹以上の産子を作製することが可能になっている。しかしながら、その一方で、これら技術が必ずしも広く普及しておらず、災害時に備えた遺伝子改変マウスの胚・精子のバックアップ体制は、国内外を問わず、一部の施設を除いては、整備されていなのも、また、事実である。そこで、今回のフォーラムでは、マウスにおける様々な生殖工学技術とその応用について紹介した。