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インドネシア・パダン体験記
中村 純
阪神淡路大震災から今年で15年が経ち、そんなに大きな被害を受けていない京都にいた私でも、幼い心にあの時の大きな揺れと恐怖は忘れることができません。それと同じ震度のスマトラ島沖地震で甚大な被害を被ったパダンの人々に、私たちインドネシア語専修のみんなで募金活動をして集めた義援金を持って、1月28日パダン国立大学に行きました。
震災から約4カ月が経った今でも崩壊した建物は多く見受けられましたが、阪神淡路大震災の時のように、辺り一面焼け野原のような情景を想像して行った私からすれば、まだ整備が進んでいるように思いました。まだまだ、発展途上にあるインドネシアにおいては倒壊する建物自体も少ないので、目に見える強烈な印象というのは少ないように思いがちですが、そこに暮らしている人々の生活が壊滅的な打撃を受けたのは間違いなく、今でも心の傷や生活の基盤は元に戻っていないと思いました。
今回の訪問で、インドネシアは全体的に所得も低く、貧しいように見受けられましたが、その中でも自分よりもさらに貧しい人には、自分の少ない糧の中からほんの少しでも分け与えてあげるという行為を度々見かけました。日本では「喜捨」というもう忘れられた行為がインドネシアではごく当たり前に人々の間で行われていました。貧しくても心優しく、心豊かな人が多いんだなと思いました。私自身、初めてのインドネシアで友人達に助けてもらってばかりでしたが、日本では感じられない事や行って初めてわかる事も多く、1週間の短い滞在でしたが訪問して本当によかったと思っています。
この春から社会人になりますが、インドネシアに限らず、ユニセフで報道されているような世界の恵まれない子供や人々に少しでも貧者の一灯でも寄付していきたいと思っています。今回の震災でお亡くなりになった方々のご冥福を祈ると共に、被害に遭われた方々の一日も早い復興を願い、私の体験記とさせて頂きます。
最後になりましたが、先生や諸先輩の厚志により、大変貴重な体験をさせて頂きました。本当にありがとうございました。