日本語実践会話を体験して
インドネシア語専修 3年次生 高木 玲央奈
12月3日に神戸のポートライナーにある研修センターに、AOTS看護師の受け入れとしてインドネシアからこられている人々の日本語会話ボランティアに行ってまいりました。
私は今回初めて、インドネシア人看護師候補生との日本語交流会に参加しました。こういった外国人に日本語を教えるボランティア自体、私にとって初めての経験だったし人に何かを教えるのが得意という先生的なキャラでもないので、行く前はちゃんと教えられるか不安でした。しかし、ニチイ学館に到着して沢山の研修生に笑顔で迎えられ、少し緊張がほぐれました。
交流会は基本的に彼らがあらかじめ用意してきた質問に日本語で答えていく、というスタイルでした。私は一対一で計3人の研修生と対談しました。たまたま全員女性で、年もみんな20代だったのですぐに打ち解けられました。みんな熱心に私の言ったことをメモしていて、日本語が上手く話せるようになりたいという彼女たちの真面目な姿勢が伝わってきて嬉しくなりました。1人の研修生につき1時間ずつ対談したのですが、話が弾んであっという間に時間が過ぎていきました。そしてそれと同時に私たちが、普段いかに無意識に言葉を選んで『日本語』を話しているのか気付かされた時間でもありました。
『少し似ている』と『ちょっと違う』この二つの言葉をどう使い分けたらいいのかという質問がありました。どちらの言葉も、結果的に言いたいことは似ているけれどもだからと言って類義語というわけでもない気がする・・・なんとなくニュアンスで使い分けている言葉を、『こういう根拠があってこの時にこの言葉を使うんですよ。』と説明することはすごく難しかったです。だからといって、日本語を勉強している外国人に対して『なんとなく感覚で使い分ければいい。』というのも、その感覚というもの自体、日本人の感覚であって、外国人からすれば異文化になるわけで・・・結局、そのときは日本語での分かりやすい説明が思いつかず、『少し似ている』と『ちょっと違う』をインドネシア語に訳して、2つの言葉は微妙に違うよね、日本語でも同じことだよ。と説明したら彼女も納得したようでした。
彼女たちは日本語を勉強していて、私は大学でインドネシア語を勉強しています。こういった、互いが互いの国の文化を学んでいるという共通点があるということにすごく親しみが持てたし、私たちの母国語である日本語を一生懸命話そうとしているインドネシア人の姿、というものが嬉しかったです。そして対談後、彼女たちとインドネシア語で交流する時間があったのですが、私がインドネシア語で話すと嬉しそうに答えてくれて、あぁ、さっきまでの私と同じような気持ちなのかな!とまた嬉しくなりました。
研修生の皆さんは年が明けたら、実際に病院でそれぞれ働きはじめるそうです。私の地元である、福岡の病院で働くことが決まった人もいて、とても驚きました。社会に出たら沢山の困難があるだろうけど、負けないで乗り越えていってもらいたいです。ニチイ学館のスタッフの方々はとても優しく、設備もとってもきれいな場所だったのであんな環境で日本語が学べる彼女たちはすごく恵まれているなぁと思います。余談ですが、この日の帰りに寄った南京町で食べた肉まんがとっても美味しくて・・すぐに行ける彼女たちがホント、羨ましいです。私も彼女たちの熱心な姿勢を見て、インドネシア語をもっと頑張ろうという、いい刺激を受けました。
来月もまたボランティアの機会があるようなので是非参加したいです!今回は貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。