外国語学部では、昨年度に引き続き今回のアンケート実施に際しても、学部の９学科・専修に加えて、特別英語、日本語科目群の11のセクションごとに、各授業担当者が協議して、各セクションの教育効果をバランスよく総合的に評価できるように実施科目を決定した。また、結果の分析についても、各セクションの責任者が取りまとめ作成した結果分析及び改善計画報告書に基づいて、最終的に学部長・副学部長がこの報告書を作成している。

　総合的に見ると、出席率は大学全体平均とほぼ同じで、体系的な学習、専門知識・語学力の段階的学習、知的好奇心・学問的関心の向上のいずれにおいても、学部平均値が4.03〜4.08、総合的な満足度が4.11と、学部全体としては良好な結果を得た。

　しかし、事前事後学習については、全体の約3割の学生が「ほとんどしていない」、同じく約3割の学生が「30分〜1時間」と答えており、約６割の学生の事前事後学習時間が1日平均1時間以下という結果となったことは、継続的な学修といった観点からも、問題点として指摘される。

　昨年度の調査では「予習・復習を継続的に行なったか」を聞く項目を立てており、昨年春学期は学部平均値が3.01、秋学期が3.10であって、他の項目の4前後と比べると、かなり低い数値を示していたことから、その実態を測定すべく、今年度は具体的に事前事後学習の時間数を聞くことになった。その結果が総評に示したものであった。

　さらに授業の種類で事前事後学習の数値の違いが出るかどうかを見るために教育支援センターに今回の調査のデータを加工してもらった（表1）。インテンシブではIよりもIIIの方が数値が増えているのに対して、コミュニケーション論ではかなり下がっていることが分かった。

　外国語学部は来年度から1・2年次の語学必修科目（インテンシブ等）をすべて1・2時限に置くので、学生の遅刻・欠席が懸念されるところから、教育支援研究開発センターに今回の調査のデータを特別に加工してもらった。その結果、インテンシブIは開講時限にあまり左右されずに回答率が高かったの対して、インテンシブIIIは1時限の回答率が非常に低く（61％）、この点に関して何らかの方策を取る必要性が強く感じられた。ただし、調査対象となった2時限のインテンシブIIIの科目数自体が少ないので、これが絶対的な数値とは言えず、もっと精密な調査が求められる。また、インテンシブABとDEに関しては、学年によってはAとB、DとEが別建ての科目の設定になっているので、正確な値が出ていない可能性もあり、次回はその点、留意して調査を行なう必要がある。

表1

科目区分（インテンシブ、コミュニケーション論、演習、情報○○語、その他科目）ごとの事前・事後学習時間と、学部対象科目全体の学習時間の比較

（5. 2時間以上、4. 1時間30分〜2時間、3. １時間〜１時間30分、2. 30分〜1時間、1. ほとんどしていない）

科目区分	履修者数	回答数	回答率	学修時間 ポイント平均
インテンシブ全体	1,460	1,218	83.4%	2.68
インテンシブI	863	757	87.7%	2.60
インテンシブIII	597	461	77.2%	2.80
コミュニケーション論	658	521	79.2%	2.26
演習科目	89	70	78.7%	2.94
情報○○語	316	229	72.5%	2.19
その他科目	3,891	2,672	68.7%	2.08
学部対象科目全体	6,894	4,761	69.1%	2.27

　事前事後学習時間の不足に対しては、学修時間には授業時間だけではなく、予習・復習等教室外での自主学修も含まれるという単位制度の仕組みが周知されていないことが一番の原因だと思われる。授業形式によっては、事前事後学習を課することが難しい面もあるかもしれないが、たとえば「コミュニケーション論」などは十分可能であるはずである。まずは、非常勤講師を含め、学生・教員にこの点を周知させることとする。

　1・2時限の出席率の問題は、さらに正確な情報を得るべく、次回の実感調査の仕方を工夫するだけでなく、この問題意識を全教員が共有して改善策の検討に入ることとする。

　情報教室の入室時間が1時限の授業の場合、15分前（8時45分）であり、授業前の準備等に支障が生じている。遅くとも8時30分には入室できるように変更してもらえないか、との要請があった。来年度から外国語学部のすべての1〜2年次の語学科目が午前中に配置されるので、早くから大学に来て授業の準備等の学修を行なうことが推奨される。情報教室の開室時間を早めることは是非とも実現していただきたい。