結果分析・授業計画/改善に向けての取り組み(平成25年度 秋学期)

1.結果の総評

 外国語学部では、昨年度に引き続き今回のアンケート実施に際しても、学部の9学科・専修に加えて、特別英語、日本語科目群の11のセクションごとに、各授業担当者が協議して、各セクションの教育効果をバランスよく総合的に評価できるように実施科目を決定した。また、結果の分析についても、各セクションの責任者が取りまとめ作成した結果分析及び改善計画報告書に基づいて、最終的に学部長・副学部長がこの報告書を作成している。

 総合的に見ると、出席率は大学全体平均とほぼ同じで、体系的な学習、専門知識・語学力の段階的学習、知的好奇心・学問的関心の向上のいずれにおいても、学部平均値が4.12〜4.16、総合的な満足度が4.24と、学部全体としては、春学期よりもさらに良好な結果を得た。

 しかし、事前事後学習については、全体の約3割の学生が「ほとんどしていない」、同じく約3割の学生が「30分〜1時間」と答えており、約6割の学 生の事前事後学習時間が1日平均1時間以下という結果となっており、この状況は春学期とほとんど変わっていない。この点は、継続的な学修といった観点から言っても、問題点として指摘される。

2.調査結果にみられる本学部授業の課題

 総評でも示したように、事前事後学習時間の不十分な学生が多いことは大きな問題である。

 フランス語学科のデータ分析によると、「段階的学習」や「総合的満足度」などの数値が相対的には春学期から上昇しているものの、細かくデータ処理を行なうと、2年生においては、1年生のようには、春学期から秋学期への向上は見られないことが示された。学年が1年生から2年生に進むに従って、授業の内容についていけない学生が増加していることは、成績から明らかであり、検定試験の結果からも1年生から2年生に進むに従って学力差が開いていっているのも明らかである。よって、2年生になって授業内容の高度化についていけなくなる学生がでるのをどのように防ぐかを考えていく必要がある、という指摘である。これが学部全体で言える傾向であるかどうか、今後調査する必要がある。そして、それと関連して、毎学期、大規模に労力も経費も掛けて調査を行なっているが、我々はそこから情報を十分には引き出せていないのではないかとの懸念も示された。

 「シラバスを読んだ」か否かが全学平均の4.11に対して学部平均が3.68、「シラバスを参考にした」か否かが大学平均の3.95に対して学部平均3.75と低かった。外国語学部は語学の必修科目が多いので、シラバスを読まずに授業に取り掛かる傾向が背景にあるものと思われる。しかし、語学の授業であっても、各学期にどういった目標を持って、どのように学習していくかを理解し自覚した上で学習する方が、はるかに効果的であることは明らかである。したがって、シラバスを読み参考にすることを徹底させなければならない。

3.2の各項目についての改善計画

 事前事後学習時間の不足に対しては、来年度の向けて、シラバスの事前事後学習欄の記載をより詳しくするようにしたので、その効果が期待される。学修時間には授業時間だけではなく、予習・復習等教室外での自主学修も含まれるという単位制度の仕組みに関して、非常勤講師を含め、学生・教員にさらに周知させることとする。

 学習成果実感調査のデータ分析の問題であるが、来年度より外国語学部では常設のFD委員会を設けたので、この委員会を中心に、より効果的な調査・より詳細な分析の方法を練り上げることができるものと期待される。

 シラバスに関しては、毎回の授業内容を記載し、事前事後学習についてもしっかり記載していくように次年度向けには準備したので、語学の授業であっても、シラバスは自覚的な学習を行なうのに非常に有効な一つのツールとなってきている。授業開始時までにシラバスを読んでおくことを、履修ガイダンスでしっかりアナウンスし、かつ初回の授業でシラバスのコピーを渡す等して、当該授業の目的・目標・進め方を確認させる方向で対処したい。さらには、シラバスのコピーをノートに張り付けさせるのも効果的な方法だと考えられる。

4.備考

 外国語学部は来年度から1・2年次の語学必修科目(インテンシブ等)をすべて1・2時限に置くので、学生の遅刻・欠席が懸念されるところから、以下の2点を、その他の点としてあげたい。特に2点目に関しては、学生からの要望も大きいところである。

 情報教室の入室時間が1時限の授業の場合、15分前(8時45分)であり、授業前の準備等に支障が生じている。遅くとも8時30分には入室できるように変更してもらえないか、との要請があった。来年度から外国語学部のすべての1〜2年次の語学科目が午前中に配置されるので、早くから大学に来て授業の準備等の学習を行なうことが推奨される。情報教室の開室時間を早めることは是非とも実現していただきたい。

 遅刻の原因には、バスの便が不足していることが大きな要因としてあげられる。こちらの改善についても、是非実現していただきたい。

改善に向けての取組(平成25年度 秋学期 「演習」の充実と「基礎演習」開講にむけて)

改善に向けての取組(平成26年度 秋学期 TAを使った授業の導入と運営方法について)

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