- HOME
- 学部・大学院
- 外国語学部
- 京都産業大学における教育の質保証に向けた取り組み
- 結果分析・改善計画(平成24年度 春学期)
結果分析・改善計画(平成24年度 春学期)
1.結果の総評
外国語学部では、昨年度に引き続き今回のアンケート実施に際しても、学部の9学科・専修に加えて、特別英語、日本語科目群の11のセクションごとに、各授業担当者が協議して、各セクションの教育効果をバランスよく総合的に評価できるように実施科目を決定した。また、結果の分析についても、各セクションの責任者が取りまとめ作成した結果分析及び改善計画報告書に基づいて、最終的に学部長・副学部長がこの報告書を作成している。
総合的に見ると、出席率は大学全体平均とほぼ同じで、体系的な学習、専門知識・語学力の段階的学習、学習の多面性・考察の深さ、知的好奇心・学問的関心の向上のいずれにおいても、学部平均値が4弱、総合的な満足度が4強と、学部全体しては良好な結果を得た。しかし、継続的な事前事後学習について、学部平均値が3.01であったことは問題点として指摘される。また、シラバスに関する設問に対しては、大学全体平均をやや下回った。これは、アンケート実施科目に語学の必修科目が多いことと、すでに前年度の希望提出時に授業内容を理解してしまっている演習科目も少なからず含まれていることに起因しているものと思われる。
2.調査結果にみられる本学部授業の課題
事前事後学習に関する数値が高くないことは、複数のセクションからの報告書にも指摘がなされている。設問4以下の他の項目の数値(4前後)との大きな差からは、学部の学生たちの多くが「予習・復習を継続的に行なった」と言い切ることに躊躇いを感じていることが見て取れる。特に語学の必修科目では、たくさんの課題を課され、覚えることも大量にあるので、こなすべき量と実際に自分がこなした量との差への意識が、こういった躊躇いを生んでいるのかも知れない。議論もしつつ、もう少し深く分析する必要がある。
あるセクションでは、1年生の必修科目と2年生の必修科目に関して、それぞれの結果に回答数の重みをつけて学年ごとに加重平均したところ、出席回数12回以上が、前者の82%に対して、後者の45%という数値になった。2年生になって急激に授業への参加意欲がなくなっているのではないか、という分析である。このセクション以外にも、2年次の必修科目で出席率の低い学生が体系的・段階的学習ができていない傾向にあることをデータから分析している。学習習慣を確立させ、学習意欲を喪失させないための方策を考えなければならない。
3.2の各項目についての改善計画
シラバスの問題と事前事後学習の習慣化の問題をからめると1つの方策が浮かび上がる。必修科目を含め授業の1回目にはシラバスを配布するなりして、自分たちがその科目で学習すること、到達目標を頭に入れ、その目標を達成するために予習・復習を含めてどんな勉強をしなければならないかを自覚させる、という案である。このようなシラバスの実質的な活用は今後重要な教育の一要素となる。学部全体で取り入れられるか今後検討する。
しかし、これだけでは十分でないことは明らかである。出席率を改善し、学習習慣を確立させるには、授業への参加度が低くなってしまう学生をより参加させるような工夫が必要である。だが、その工夫は、従来から授業に積極的に参加している学生の満足度を落とさないようなものであり、かつ、授業の到達レベルを十分なところまで上げるものでなければならない。
4.備考
外国語学部の授業は、講義形式、演習形式、語学実習形式など様々な形態があり、受講者数や各セクションの違いなど、非常に多様であり、一律に同じ尺度で測ることはできない。したがって、それぞれの教員が自らの担当科目に関して、自由記述とも照らし合わせつつ、各項目の数値の持つ意味を分析して、授業改善に役立てる必要がある。また、授業に関する教員間の情報交換を促進するために、アンケートに記入された自由記述は学部事務室に保管し自由に閲覧できるようにしてある。