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    中野 量太さん

【むすぶ人】中野 量太さん(1997年外国語学部 卒)

卒業後、日本映画学校(現:日本映画大学)に 入学。助監督やテレビディレクターを経て、映画 監督に。自主制作映画「チチを撮りに」が国内外 で賞に輝き、10月公開の「湯を沸かすほどの熱 い愛」で商業映画デビューを果たす。

なぜ映画監督を目指されたのですか?

映画は表現作品の最高峰。だから、挑戦しようと思ったのです

映画は、映像・音楽・ストーリー(脚本)と、あらゆ る表現が結集し、ひとつの作品になります。何か を表現したいと思った時に、その最高峰を目指 すのは、私にとっては自然の流れでした。もちろ ん、不安もありました、というか不安だらけでし たよ。なぜなら、映画といえば有名なハリウッド映 画を観る程度で、小さい頃からの夢でしたとか、 映画を制作したいから勉強しました、というわけ ではなかったですからね。大学卒業後の進路を 決める時、友人に「映画監督になりたい!」といった ら猛反対されました。それでも、私の中では「表現 したいこと」があったのです。それをカタチにする 手段としての最高峰と考えた映画制作を選択し たというだけで、それが初めての経験だとして も、挑戦することに躊躇はありませんでした。 何かを始める時は、みんな「ゼロ」なんです。 私は大学時代にフォークソング愛好会でアルト サックスを担当していましたが、それまで楽器 を演奏したこともなかったですし、楽譜も読め ませんでした。それでも、周りの仲間の協力と自 分の強い意志があったからこそ、ライブを重ね、 コンテストでいくつか賞をとるまでに上達でき ました。そのことを身をもって実感していた ので、未知の世界であった映画監督を目指すこ とができたんだと思っています。

中野さんの今後の挑戦を 教えてください。

世界に通用する映画を制作したいです

国内で映画監督デビューしたばかりですが、 やはり目指すは「世界」ですね。でも、そのため には、まだまだ多くの壁があることも自分でわ かっています。そして、「挑戦」というと大きな夢 や目標に立ち向かっていくイ メージがありますが、自分に足 りないもの、できないことを一つ ひとつクリアしていき、その挑 戦の積み重ねが大きな成功に つながっていくのだと思ってい ます。そしてもうひとつ。「挑 戦すること」は自分一人の力 で完結するように思いますが、 実は、多くの人とのつながりや支えがあってこそ 成し遂げられます。今回の映画はもちろん、大 学時代の仲間、いろいろな出会いがあるからこ そ、自分自身がさらなる目標に向かっていける ことを忘れてはいけないと 思っています。これからも 失敗と成功を繰り返し、 それでも前へ進んでいく。 その先に、世界で通用す る映画があると信じてい るので、今後も挑戦を続 けていきたいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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