変わる授業のかたち。受講してわかったオンライン授業の長所とは?

2021.01.13

大学の構内ではラウンジなどいたるところで、オンライン授業を受ける人を見かけるのが当たり前になった。
2020年の春学期から始まったオンライン授業は、学生と教員の双方にとって初めての体験でした。ネット環境を利用したオンライン授業は「リアルタイムで行うタイプ(=リアルタイム授業)」と「録画を視聴するタイプ(=オンデマンド授業)」の大きく2種類に分類されます。オンライン授業に調査や課題提出を組み合わせるタイプの授業もありますが、基本となる形態はこの2種類です。
さて、この記事では、オンライン授業を学生はどう感じたのか?また教員はどう感じたのか?学生や教員の声を集めました。
(担当:高松)

リアルタイム授業は「通学時間がかからない」「集中しやすい」! オンデマンド授業は「体調不良でもOK」「復習しやすい」!

リアルタイム授業の一風景のスクリーンショット。演習の途中でグループに分かれて、3人のクラスメートとZoomで話し合ったのちに、Microsoft Teamsのチャットでやりとりしている際の画面の様子。
リアルタイム授業とは、定刻にMicrosoft Teamsなどのオンラインコミュニケーションツールのルームに集合して、他のクラスメートたちと一緒に受ける授業を指します。教員と学生、あるいは学生同士のやりとりがあるのが特徴です。
リアルタイム授業について、学生の意見を聞いてみました。
  • 移動時間がかからずに授業を受けることができてよかった!
  • みんなで同時に受講しているのでクラスの雰囲気が伝わってくる
  • 会話が生まれにくい時は、画面上の相手を指名すると話しやすい
  • 周囲に人がいないので、授業に集中できる
オンデマンド授業の一風景のスクリーンショット。多くの録画授業は大学の学習支援システムmoodleに動画や課題のリンクが貼られていて、そこから飛ぶ。この画面はMicrosoft Streamで、教員によって使うツールは異なる。Microsoft StreamやOne drive、Power Point、Teamsなどを使う教員が多い。
一方のオンデマンド授業とは、あらかじめ録画された講義動画を視聴し、場合によっては課題を提出するものを指します。定められた時間に視聴する必要がないのが特徴です。
  • 都合のいい時間に授業を受けられるのがいい!
  • 授業が何度でも見られるから、復習しやすい
  • レポートを作成する機会が多く、文章能力がアップした
  • 教員がゲストスピーカーを招きやすいので、これまで実現できなかったゲストから話を聞ける機会が増えた

学生、教員、職員が話し合う「しゃべり場」でも話題に

「ウィズコロナ」の時代に、大学教育はどうあるべきか。去る10月27日に、学生10人、教員3人、職員5人の三者による意見交換会「第2回 学×教×職 しゃべり場」が、オンライン上で行われました。背景には、京都産業大学では授業を対面とオンラインの併用で行っていて、学生同士はもちろん、学生・教員・職員のあいだでもコミュニケーションをとる機会が減っていることがありますが、このしゃべり場は、学生、教員、職員が授業や学習のことなどを気軽に話せる環境が整っています。
しゃべり場ではオンライン授業について、教員から以下のような意見が出ていました。

オンデマンドは「内容がわかればOK、自由に視聴して」

「オンデマンド授業の視聴の仕方」について、「個人的な意見になるが、動画の見方や時間を教員が指定する必要はなく学生たちの好きにしたらよいと思っている」「学生たちは授業を見逃したりしたら損になる。倍速にしても良いがスキップはせずに受けてほしい」
いろいろな意見がありましたが、「きちんと授業内容を理解していれば、どんなスタイルで受講しても構わない」という声が多い印象を受けました。

教員の思いは「学生の顔を見て、教えたい」

「オンデマンド授業よりもリアルタイム授業のほうが、実際に学生の顔を見られるため、教えるモチベーションが上がる」という意見もありました。
そこで登場するのが、学生がカメラをオンにしてリアルタイム授業に参加するか、オフのまま参加するか?というテーマです。次のように共通する意見がありました。
「カメラに関しては『オンにしてほしい』と伝えないとオフの人が多い。通信や環境の関係で不可能なら仕方がないが、可能な限りオンにして顔を見せて受講してほしい」。
やはり顔や反応を見ることで学生の理解度がわかり、より良い授業になるということだと思います。
また、技術的な部分では「リアルタイム授業で大人数になると、出欠確認が難しい。もし学生の名前を読み上げていたら、すごい時間がかかってしまう」という意見もありました。確かに、課題提出などと組み合わせて、出席を確認する工夫が必要になります。対面のときにはなかったであろう教員の方々の苦労も知ることができました。
学生がオンライン授業で使用するMicrosoft Office 365は通常有料であるが、大学がMicrosoft社と結んでいる契約により無料で利用できる環境が整っている。
今回の記事の作成で、オンライン授業に対しさまざまな立場からの話を聞くことができました。印象的だったのは、学生側の次の意見です。

教員の雑談が聞きたい

「教員の雑談が好きだが、オンデマンド授業だとそれがなくてさみしい」(2年次)
確かに、オンデマンドは録画のため、学生の反応を受けて思わぬ脱線をするライブ感が生まれにくいところがあります。しかし、かつて自分が受けた授業を振り返ると印象に残っているのは、意外と教員の雑談だったりもします。
難しいかもしれませんがリアルタイムでもオンデマンドであっても、ぜひ「雑談」を盛り込むことも検討していただけたら、心に残る授業になってうれしいです。
執筆中の今も、少人数授業を中心に対面授業は順次再開され、さらには新しい授業形態であるハイブリッド授業(対面授業とリアルタイム授業を合わせたもの)なるものも生まれています。しかし昨今の社会情勢からすると、完全に対面授業に切り替わることはなく、まだしばらくはオンライン授業との併用が続くと考えられます。
これからの私たちは、授業も含めた様々な変化を受け入れて、対応していく必要があります。大学では「しゃべり場」のような学生・教員・職員が気軽に対話できる場も設けられているので、上手に活用し様々な人とむすびつきながら、これらオンライン授業の強みを知ることで、ベストな授業になるように、リアルタイムとオンデマンドの「いいところどり」をしていけるでしょう。
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