「図書館書評大賞講演会」で芥川賞作家 平野 啓一郎さん講演

2018.07.23

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講演会の様子1

7月23日、Lib.コモンズ(図書館ホール)にて「図書館書評大賞講演会」が開催されました。この講演会は、京都産業大学図書館書評大賞への応募促進を図り、読書の素晴らしさを伝える一助となるよう毎年開催されています。今年は『日蝕』で第120回芥川賞を受賞した作家、平野啓一郎さんが講演されました。会場は約100名の来場者で、熱気に包まれた講演会となりました。

平野さんは「私の読書遍歴」と題して講演されました。
最初に、小さい頃母親と図書館に通ったこと、小学校の学級文庫など、子供の頃の本との関わりについて語られました。そうした子供時代に伝記や図鑑などを読んだり見たりしたことが、今も知的なものに対する関心に影響を及ぼしているということです。
14歳の時に三島由紀夫の『金閣寺』を読んで非常に衝撃を受け、三島ファンになりました。三島が好きだった作品、19世紀のフランス文学、ドイツ文学を読んでいくようになり、どんどん文学にのめり込んでいくようになりました。
平野さんがどうしても書きたいという衝動に駆られて初めて小説を書いたのは17歳の時で、それで気が済んだという感じになりました。一度は本を読むのも止めようと思いましたが、大学生になると本を読まざるを得ないこともあって、文学以外にも色々な本を読むことで、読書の範囲が広がって行ったとのことです。そして、再び小説を書きたくなり、在学時間が残り少なくなってきて、小説家になることを真剣に考え始めました。
小説家デビューについて平野さんは、20歳から21歳の頃に『日蝕』という小説を書いて出版社に送り、編集者の目に留まって幸いデビューすることになり、その『日蝕』で芥川賞を受賞し、運が味方してくれたデビューだったと振り返られました。
作家になってからは、本を読むことが直接的に仕事に繋がるため、たくさん本を読んでいて、仕事部屋を埋めつくす本との戦いが日常になっているとのことです。世代的に紙の本で育ったため、電子で読む本も増えましたが、やはり紙で読むことの方が多いのだそうです。
最後の質疑応答では、参加した学生たちが「読書に偏りがあるが、今まで自分が読んでいなかった本を選ぶにはどうしたらよいか」など積極的に質問をし、平野さんは「店頭で見たり、人から薦めてもらったり、ネット書店のリコメンドなど頼りにしてはどうか」など大変真摯にかつ丁寧に答えてくださいました。
アンケートでは、「平野さんにとっての三島由紀夫のような存在との出会いが自分にもあればいいと思った」「本を読むことの大切さや意義を確認できた」「同じような本ばかり読んでいたので、もっと他のジャンルの本も読んでみたいと思った」といった感想がありました。

講演の様子を図書館報『Lib.』Vol.45, no.2に掲載しています。ぜひご覧ください。

講演会の様子2
講演会の様子3
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