京都の伝統文化を未来へ。 学生と地域・企業のむすびつきが 次世代へ継ぐ一体感をうみだす。

ゼミ・研究

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  • 文化学部3年次
    岡田 祐佳さん

    (小林一彦ゼミ)

【むすぶ人】岡田 祐佳さん(文化学部3年次)

ユネスコ無形文化遺産に指定されている京都祇園祭の山鉾行事。本学文化学部では函谷鉾(かんこぼこ)保存会と協働し、祇園祭を支える一員として学生が山鉾行事に参加している。函谷鉾町は商業地に位置し、住民のいない町であるため、伝統文化を継承していくための若い力が必要だと、近隣企業と本学とのコラボレーションが一昨年から始まった。今年で3年連続参加している岡田さんは、今年の祇園祭に懸ける想いをこう語る。「大学と地域が一丸となって取り組む一大行事。多くの人にその熱量を感じてもらい、次世代に受け継がれる伝統を創り上げていきたい。」——祭に懸ける共通の熱い想いが、地域と企業、そして学生をむすんでいる。今年は海外からの観光客も多く見込まれるため、京都の伝統文化を海外にも発信するべく奮闘中だ。

函谷鉾とのコラボレーションでは、実際にはどんな活動をしているのですか?

加藤さん:3年生と2年生はゼミの一環で、1年生はフィールドワークの授業として祇園祭のお手伝いをしています。初参加の学生も多いので、私たち3年生が中心となって上手く仕事を割り振れるように協力しています。

仲原さん:具体的には、祇園祭当日に鉾の拝観に来られる観光客に解説したり、道路が歩行者天国になるのでその際の人の流れをスムーズに交通整理したり。厄除け粽や提灯の販売もお手伝いします。お客さまに安全に祭りを楽しんでもらえるように誘導・案内の班なども作って対応しています。今年は外国人観光客に対応するための英語班も作ろうと考えています。

岡田さん:私たちは1年次から参加して3年目なのですが、この取組みはとてもやりがいがあって、楽しくて。きっと実際に経験しないとこの熱量は感じられないと思うので、今年は初参加の学生にそれを体感してもらって、来年度以降もまた参加したいと思ってもらえるようにしたいと思っています。

文化学部3年次 岡田 祐佳さん
文化学部3年次 加藤 雄三さん
文化学部3年次 仲原 瑞希さん

このコラボレーションが始まったきっかけは?

函谷鉾保存会 伊藤 邦夫 理事

伊藤理事:祇園祭は古くから行われていますがどこの町内も人材不足で、保存会そのものを支えているスタッフの年齢もものすごく高いのが現状です。函谷鉾町も実質、住民がおらず企業ばかり。そこでいち早く自社ビルを建てて保存会を立ち上げました。実はこれまでもいろいろな学生にお手伝いを してもらっていたのですが、個人で来ていただいていたので人員確保がしづらいという難点がありました。そんな状況を受け、私たちも企業経営者ですから、イ ンターンシップが良いのではと考え始めました。当時は伝手も何もなかったのですが、京都産業大学の職員さんにお会いして、小林先生を紹介いただきました。 それがきっかけで、ゼミや授業においてのコラボレーションが始まったんです。大学生と協力することで、学生は歴史を通じて人間活動、社会貢献に携われるし、町内も活気づいて助かる。そういうWin-Winの関係を築くことができるのはとてもいい取り組みだと思っています。

これまでの活動を受けて、自身の成長を感じたポイントはありますか?

仲原さん:私は出身が京都ではないので、祇園祭については詳しく知りませんでしたが、何か京都らしいことをしたいと思って参加を決めました。当初は右も左もわからず、とりあえずやってみたという印象でしたが、終わってから祇園祭が大好きになりました。保存会のみなさんをはじめ学外の大人の方々と話せる機会があるのは本当に良かったと思います。業務内容を教えてくださったり、私が勉強してきたことを話すとほめてくださったり。そういった交流も自分の糧になったと思います。

加藤さん:売り子を始めたばかりの頃は、通勤の人たちもいる中で大きな声を出して粽を売るのが恥ずかしいと思っていました。それがだんだん回数を重ね、保存会の人たちが声を張り上げているのを聞くうちに、今度は自分が声を出していないのが恥ずかしく思えてきたんです。それを機に、誰よりも大きな声を出して頑張るようになりましたね。1年生の頃はそういった経験や達成感が大きかったですが、2年生のときは指示する側としての役割も増えたので、自主的に考えて行動できるようになったと思います。自分から進んで保存会の方々に相談できるようになったのは成長ポイントではないかと思います。

岡田さん:3年目になって、総長という全体のまとめ役に就いたことで、周りを動かす力がついたと思います。また、大人の方々とたくさん話したことで、礼儀なども身につきましたし、とてもいい社会勉強をさせていただいていると思います。この経験が自信につながっていて、普段の生活でも生かされていると感じます。サークルでも副部長として部員をまとめられるようになりました。

伊藤理事:これから教育は変わっていきますからね。コミュニケーション能力、問題解決力、行動力…そういうチカラが絶対に必要になってきます。そのため礼儀についても基本的なあいさつから指導しました。やはり最初はみんなソワソワしていて、何をしていいのかわからない、という様子が見て取れるのですが、日に日に目が輝いていくんです。そして祭りが終わると来た時より何十倍も成長して帰っていく。学生たちの成長は見ていてはっきり感じられますね。

活動を通して、学生たちの印象はいかがですか?

伊藤理事:みなさん爽やかですね。そして勉強熱心。この活動に参加するには、事前に祇園祭の歴史や背景などを勉強していただくんです。観光客に聞かれた際にしっかり答えられるように、授業で試験も受けてもらいます。鉾の中は決まり事もたくさんありますし、安全面にも配慮しないといけません。当日も暑くて忙しくて大変だと思いますが、真剣に取り組んでくれていますね。そんな学生たちの頑張りに私たちも応えたいと、一人ひとりの名前をちゃんと覚えたり、朝から会議をして準備をしたり、最終日は最後まで見送って、感謝の気持ちをこめて粽を手渡しします。感極まって泣いている学生がいたりして、ここまで真剣に向き合ってくれているということは嬉しい限りですね。

函谷鉾保存会は50周年、京都産業大学も昨年50周年を迎えたところですが、 今年の祇園祭への意気込みをお聞かせください。

岡田さん:今年はリーダーという立場。この2年で先輩方の姿を見て、リーダーがどんなものかを学び、自分への課題もたくさん見つかりました。また、祇園祭に全力で関われるのは今年が最後なので、2年間やってきた集大成として、力を出し切りたいと思っています。その姿を見て、また次の世代が頑張ろうと思ってくれるといいですね。そうやって伝統が受け継がれて、先の未来まで続いていってほしいです。

仲原さん:私はリーダーを支える副総長という役目なので、彼女が動きやすいようにサポートできたらいいなと思います。彼女には人を引っ張っていく力があるので、それを存分に発揮できるように細かなところで支えたいですね。例えば10年後にみんなで集まって、祇園祭はよかったねって語れるようなものにしたいです。

加藤さん:後輩達を育てるのも私たちの役目だと思っているので、次の代が成功できるように頑張りたいですね。ゼミ生同士も仲がいいので、互いに協力し合って一致団結して成功させたいです。

伊藤理事:今年は土日に宵山、宵々山が被るので、観光客もたくさん見込まれます。海外の方も多く来られると思うので、たくさんの方に京都の文化を体感していってほしいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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